山形県、福島県、新潟県にまたがって連なる飯豊連峰。
まだ登ったことがなく機会があれば是非行ってみたいとかねてから思っていた山です。
磐梯朝日国立公園内にあり日本百名山の一つでもある人気の高い山です。
最高峰の大日岳(2,128m)を筆頭に2000m峰が続く壮大な景色を見たいと山形県米沢市に住む友人と計画をたてて11月1日~3日の予定で登ってきました。
1日、まだ暗い早朝、山形県飯豊町にある大日杉小屋を出発。
主稜線に続く尾根筋の急登を登っている途中で朝日が・・・
紅葉真っ盛りの山がまるで燃えているかのようです。
実はこの時、登り始めからの急登続きで軽い熱中症にかかっていたようです。
大量の汗と激しい動悸、息切れのためペースが全く上がらず最悪な体調でした。
今日の工程の中間地点、主稜線上にある切合避難小屋まではまだまだ遠いのですが一向に体調は良くならず。
休み休みでもとにかく足を一歩一歩進めるしかありません。
ようやく飯豊山の大きな山容が見えてきました。
ピークは少し奥の方にあるようです。
写真なんて撮っているのですが体調は最悪。
仲間にずいぶん迷惑をかけてしまいました。
這うように登り続けて本山がけっこう近くになってきました。
山頂付近は少し雲がかかっています。
この辺りからところどころ登山道に雪が積もってきました。

もう立っていられないようなしんどさの中、お昼過ぎにようやく切合避難小屋に到着しました。
中で昼食を食べて一休み。
予定では次の本山小屋まで行くつもりだったのですがここでギブアップ。
とてもあと2時間、ピークを2つも超える気力も体力のありません。
予定を変更してここで泊まることにしました。
さすがにこの時期、登山者は我々だけでしたので自由に使うことができました。
この日は鍋をつつきながらの大宴会。
酒を大量に消費してしまいました。
夕方、それまで垂れ込んでいた雲が晴れて大絶景が!
最高峰大日岳に至る主稜線が綺麗に見えました。
これが見たかった!
登山中あまり天気が良くない予報だったので奇蹟が起こったようです。
大日岳アップ。
カッコええ!
今回の山行はこの大日岳まで縦走する予定だったのです。
が・・・
次の日はいよいよ飯豊本山へのアタックです。
雲海から顔を出す朝日はとても綺麗です。
しかし寒い!

本山手前にある草履塚。
山岳信仰の山、飯豊山へ詣でる前にここで履き替えた新しい草履を積んで塚ができたといわれています。
まずはこれを越えるのですが昨日の最悪だった体調が戻っているかどうか。
恐る恐るザックを背負い出発、体に負担をかけずにゆっくり登りました。
草履塚の下りで積雪がとても深くなりスパッツを装着することになりました。
姥権現に到着。
飯豊山は近年まで女人禁制の山でした。
江戸時代にその禁を破り山中に入った女性が神様の怒りに触れて石に変えられたという伝説が残っているそうです。
このお地蔵さんはこの女性を祀ったものだそうです。
姥権現を過ぎると御秘所(おひそ)を通過します。
飯豊山山岳信仰で最も難所といわれているところです。
断崖絶壁の岩の上をバランスをとりながら慎重に通過します。
あとで調べてみるとここを超えることで一人前の男として認められるということでした。
また御秘所のどこを通るかによってもご利益が違うともいわれているみたいです。
主稜線上は相変わらず雲の中です。
おそらく本山ピークも同じでしょう。
気になっていた体調ですが今日は絶好調!
急斜面を登っても動悸が起こらず息切れもしません。
やはり昨日は軽い熱中症にかかっていたんだと思います。
途中本山避難小屋横の飯豊山神社でお参りをしてしばらく進むと
飯豊山山頂に着きました。
予想通り周りは真っ白。
とても寒かったです。
体長も良くまだ時間があったので先の避難小屋まで行こうと思っていたのですがこのガスではどうしようもありません。
計画を変更して出発した切合小屋まで戻ることにしました。
その夜も僕たちだけの小屋で宴会・・・のはずでしたが前日に酒を飲み過ぎてほとんど残っていません。
お湯やお茶でごまかしながら夜まで何とかひっぱり就寝しました。
次回はぜひ大日岳まで縦走しようと決意して下山しました。
総行動距離 26.432㎞